月経前症候群(PMS/PMDD)

月経前症候群(PMS/PMDD)って何?

生理周期で排卵後~生理前(高温期)になると現れる、胸の張りや情緒の不安定感をはじめとする様々な症状を月経前症状(PMS)あるいは一定の症候群として感じられる場合は月経前不快症候群(PMDD)といいます

ここではPMDDの方で呼び方を統一させて頂きます。

 

PMDDの代表的な症状として

理由もなく・あるいは些細な事でイライラ・うつうつ・悲哀感を強く感じる

強い感情が出てきた際にコントロールが出来ない

胸が張る(程度は人によって大きく差がある)

 食欲の異常亢進・甘いものが欲しくてたまらなくなる

排卵以降続く頭痛 下腹の痛み

などがあります。

他にも、冷えのぼせ 下痢や便秘、不眠などの自律神経症状など。

周期的に繰り返される不調に悩まされるようであればPMDDを疑っても良いかもしれません。

PMDDは放置して問題ない?

PMDDは軽いものまで含めればほとんどの女性に見られます。

症状が多岐にわたる事、すべての症状を改善できる特効薬的な薬が病院にない事もあり、病院の婦人科では軽ければ治療対象にならない事が多いようです。

 

しかしPMDDは放置しておくとトラブルがさらに発展する事があります。

ひどいと不眠。

鬱っぽい感情から希死感を覚える方すらいらっしゃいます。

そうでなくても毎月起きる不快な症状や自律神経バランスの乱れに、社会生活上も大きく影響を受ける事と思います。

症状がひどくなってくる前に、適切な対処が必要です。

 

西洋医学的には原因不明とよく言われるPMDDですが、体調のトラブルの裏には必ず原因があります。

原因を改善する事でPMDDもきれいに解消する事が可能です。

病院でのPMDD対応

PMDDは自律神経失調ではありません。

病院で安定剤をもらっている方が時々いらっしゃいますが、安定剤で解消するトラブルではありません。

 

病院では治療方法としてはカウンセリングに加え、一部の利尿剤や安定剤を治療に使う事があります。

最近やっと漢方薬を利用する医療機関も増えてきたように見えます。

ストレスと何らかの関連があることは西洋医学的にも考えられているようです。

 

PMDDの漢方対応

漢方的なPMDDの原因

PMDDの原因は、漢方的に言えば「肝血虚」です。

 

漢方的に肝の機能は”蔵血”(ぞうけつ:血を蔵す)と言われます。

肝臓に血(けつ)をいっぱい溜め込んでおく事で、肝のもう一つの機能である”疏泄”(そせつ:体のリズムをとる)が正常に働きます。

PMDDは肝臓に貯められているはずの”血”の余裕がなくなってしまい疏泄が乱れた事が原因と考えられています。

 

血がなくなってしまう原因は

女性は毎月の生理で、一定量の血を排泄してしまう事。

社会生活におけるストレスや疲労が、血の消耗を更に激しくしている事。

消耗した血を補うための食事も、現代社会生活の中では不摂生かつアンバランスになりがちで、食事による十分な回復が得られない。

睡眠の質の悪化や時間の短縮が回復の時間を更に短くしてしまっている。

等が挙げられます。

 

PMDDの日常注意点

ポイント1️⃣ 食生活を正す

人の体は毎日の食事で作られます。

不摂生な食事習慣は栄養の偏りや必要なアミノ酸やミネラルの不足を生じます。

 

朝昼夜の三食が食べれていない。

ダイエットで食事制限を行っている。

食事の殆どをコンビニ弁当や外食で済ますことが多い。

上記のような状態はバランスの良い栄養状態とは言えません。 

 

 

ポイント2️⃣ 生活リズムを正す

日中は活動し、夜は睡眠をとる。

この当たり前のリズムが乱れている事も血や気の消耗を招き体のリズムを崩す要因です。

数カ月続けて6時間以下の睡眠時間。

日中だけでなく深夜まで、休憩も取れないようなハードワーク。

こういった生活リズムでは、体を著しく消耗し、内臓機能を低下させ、血の不足や肝の疏泄失調につながります。

 

ポイント3️⃣ ストレスなく生活する

多少のストレスは生活に張りを持たせる為に必要です。

ところがたいした事ないストレスでも、回復できないまま長期間受け続けると徐々に大きな失調に繋がります。

 

急に大きなストレスに見舞われて食欲や睡眠のリズムが失調した時も。

長期間、それほど大きな悩みや苦悩ではないけれども寝ても覚めてもその事ばかりを考えてしまう状況に置かれた時も。

精神的に疲れていると感じたら心の休養が必要です。

 

 

生理周期の高温期には、特に黄体ホルモンの影響でストレスを強く感受しやすい傾向があります。

たとえ小さなストレスでも回避できるものは回避、受けた後は上手に解消。

何よりも普段からリラックスして自分の時間を大切にする習慣などが大事になります。 

PMDDまとめ

以上のようにPMS/PMDDの原因には漢方で言う「肝」「血」の失調が大きく絡みます。

漢方相談の際にもPMS/PMDDでは、その方の臓腑のバランスを整えることが重要になります。

 

ストレスや疲労で体調に不安を感じたら、まず胃腸に大きな負担をかけないようにしましょう。

過食や刺激物の飲食は禁物です。

お腹が張ったりして食欲があまりなければ、無理にしっかり食べる必要はありません。

そして一度悩んでいる事や気持ちを塞いでいる事からおもいきって目をそむけること。

リラックスして自分の時間を持つこと。

趣味や好きな事をする時間を無理してでも作ること。

 

PMS/PMDDは近親者であっても男性には理解しにくい症状です。

いっそ男にはPMSは理解されないのだと開き直ってもいいくらいです。

ご主人や家族には、生理前はそういうものだと認識してもらえれば十分です。

 

日常生活を見直して身体が回復してくれば、自然とPMS/PMDDは解消してくる事と思います。 

妊活はまずPMS/PMDDの改善を考えましょう

PMS/PMDDは身体の状態が整っていない事のサインです。

ここまで何度も申し上げている通り、PMS/PMDDの原因は血虚(血液の不足)から生じる自律神経のリズムの崩れです。

逆に言えば黄体期に安定した状態で生活できるように体を整えて頂ければ、子宮内膜に十分な血液が回り子宮内膜を厚くする事もできますし、生理周期が整って排卵の日を予測することも容易になります。

 

なによりも、基礎体温を計測している方なら基礎体温がギザギザで計測自体が苦痛になってしまった事があるかと思いますが、このジグザグが驚くほどきれいになります。

高温期の基礎体温が安定しているという事は、自律神経の乱れが解消され、ホルモンのバランスが整い、子宮内膜がきれいに肥厚できてますよ、という事です。

 

以前、処方箋調剤を行っていた頃にPMSの症状で心療内科で安定剤の処方を受けている方を何度も見かけました。

あるいは婦人科でホルモン剤の処方を受けていた方も対応した事があります。

安定剤にしろホルモン剤にしろ、効果は安定したものではなく、また日によっても変わります。

また安定剤はPMS/PMDDだけだった失調を普段から気分のコントロールが難しい状態に変えてしまいます。

ホルモン剤も根本的な解決をするものではなく、妊活で中止した際にはまた症状に向き合わなくてはいけません。

 

本当にその方の体質に合う、改善効果がある漢方薬を飲んだ場合、その周期からはっきり改善効果を感じます。

情緒が安定し、胸の張りが全く気にならず、食欲や甘いものを欲しい気持ちの亢進も起きません。

 

ご自身の体質に合う漢方薬をきちんとご利用頂くためにも、いきなり3ヶ月分漢方を出すような病院で安易に処方を受けず、きちんと体質を見極めてもらえる漢方専門の方がいらっしゃるところでご相談を受けるようにしてほしいと思います。 

漢方専門 山崎薬局 店舗情報

 

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