生理痛(月経困難症)

生理痛はなぜ起きる?

生理痛を起こす原因・体質

生理痛は女性なら多くの方が体験する痛みの一つです。

毎周期生理の1日目〜3日目まで動けないほど痛む方もいれば、周期によって楽な時があったり、逆にとても重くなる時があったり、生理痛の症状には様々なタイプがあります。

 

生理痛は初潮の頃から始まる方もいれば、社会人になってから出てくる方もいます。

また、40代くらいまで重い症状を抱える方もいれば、出産や子宮内膜症などの治療を行った事で劇的に改善される方もいらっしゃいます。

共通しているのは生理痛は何もしないで改善・解消される症状ではないという事です。

 

生理痛の対応は、一般的に消炎鎮痛剤による対処療法となっている事がほとんどです。

ここで勘違いしないでほしいのは、「痛い」という事は「なにかトラブルがある」という事です。

生理とはいえ、何もなければ動けなくなるほどの痛みは起きないのが普通です。

鎮痛剤を飲まないと生活に支障があるほどの痛みを自覚する場合、必ず何か痛みの原因があります。

鎮痛剤はその何かを改善する効果はありませんので、とりあえずの対処療法で時間が経過してしまうと、場合によってはあまり効果が感じられなくなるのは当然です。

 

消炎鎮痛剤を利用しても症状が改善されない、生理の3日目を過ぎても痛みの改善が見られない、など重い生理痛を抱えている場合、子宮筋腫や子宮腺筋症など婦人科系疾患を併発している場合も多く、一度原因を検査してみる必要がある場合もあります。 

 

検査しても原因不明、しかし強い生理痛はある、問う場合は検査では出てこないトラブルという事になります。

例えば「冷え」や「ストレス」でも生理痛は悪化します。

「血液循環」が悪く子宮内膜が酸化していれば、子宮壁から剥がすのに力が必要になり、強い収縮がかかり痛みます。

漢方で言うところの「血虚」や「気虚」もスムーズな経血の排泄ができなくなるので痛みの原因になります。

生理痛の分類

冷えやストレス、疲労や貧血など生活習慣起因の生理痛を西洋医学では『機能性月経困難症』

子宮筋腫や腺筋症など疾患起因の『器質性月経困難症』と呼称します。

いずれのタイプであっても西洋医学的な対応としてはまず鎮痛剤。

鎮痛剤で間に合わなくなると、ピルを利用。

それでも間に合わなくなると外科的な処置、と進みます。

 

漢方では先の原因・体質で挙げた冷えやストレス、瘀血や気虚、血虚などそれぞれに対して。

あるいは子宮筋腫や子宮腺筋症に対しても、その疾患を作ってしまった原因体質に対して、様々な処方で対応します。

生理痛の漢方対応

 

多くの生理痛は『冷え』を基本に生じている事が多く、冷飲食やエアコンの冷気などで悪化し、温かいカイロを当てたりお腹に手を当てて温めていると楽になります。

なので多くの場合、この冷えの対応を中心に生理痛改善を行うことになります。

 

問題は「なぜ冷えるのか?」という事です。

体を一定の温かい状態に保つ力を中医学では”陽気”と言いますが、この陽気の不足で冷える事があります。

あるいは外からの冷えの感受で冷える事があります。

元々陽気が弱い体質の方が更に冷えを感受してしまう事で、下腹に冷えが定着してしまう事があります。

循環する血液の総量が少なくても冷えやすくなります。

瘀血(血流が悪い)の状態ならなおさら冷えやすいでしょう。

 

血流が悪いのもいくつか原因があります。

冷えて血流が悪い。

量が少なくて血流が悪い。

力がなくて血流が悪い。

浮腫みや老廃物があって血流が悪い。

子宮筋腫や腺筋症、子宮内膜症などの疾患があっても周辺組織の血流はとても悪化します。

 

上記に上げた「冷え」「瘀血」の他にも生理痛の原因になる要因はいくつもあります。

その一つ一つを丁寧に相談させて頂く事で特定し、対応する処方をご利用頂けるとスムーズに生理痛の改善がはかれます。

 

漢方薬が入っている箱に「生理痛」と大きく書いてあるからご利用頂く全員の生理痛がきれいに治るわけではありません。

その方の体質を見極めて、合う漢方薬を選ぶ事が大事なポイントになります。

生理開始から絞られるように痛む生理痛

生理開始から強く感じる痛みは下腹に冷えが定着した痛みか、あるいは子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症など疾患起因である事が多いです

 

疾患以外で起きている場合、冷えやストレスが原因で血管が収縮し子宮の血流が悪くなっています。

来経時に子宮内膜を剥がすために起きる子宮の収縮が強く起きるため強く絞られるような痛みを感じます。

 

疾患で痛みが起きる場合は、子宮収縮に伴い子宮筋腫による周囲組織の圧迫が強く起きたり、子宮内膜症や腺筋症の炎症による痛みや、周辺組織のむくみ・肥大が血行不良につながり痛みを増幅・延長します。

 

瘀血の改善と同時に、下腹を温め、炎症を抑え必要に応じて浮腫みを解消する処方を組み合わせる事で辛い生理痛を解消します。

生理後半にシクシク痛む生理痛

生理後半からシクシクと続く痛みは”気虚”や”血虚”が原因である事が多いです。

 

胃腸の弱さや食事の不摂生から日常的に気血・陽気の不足がある方に多い生理痛です。

生理の出方も1~2日目はそこまで量は多くなく、3~4日目に量が増え、あるいは5日目くらいに一度生理が止まり、6日目以降またダラダラと再開したりする事があります。

生理痛は鎮痛剤を使うか迷う程度の痛みではありますが、疲れると悪化し、休むと改善するしつこい痛みです。

症状が重い方は生理痛以外に頭痛も出てくる事が多いようです。

 

このシクシクとした痛みを漢方では穏痛(おんつう)と言います。

穏痛の改善には不足している気血や陽気を補う漢方薬を用います。

 

このタイプの生理痛をお持ちの方は、そもそも胃腸が弱くて体を十分に補う量の食事が取れていなかったり、疲労や睡眠不足など無理や消耗の強い生活を送られている方が多く、生理痛の改善と同時に体質や生活習慣の見直しが必要です。 

生理は痛くないのが当たり前

健康な状態であれば、本来は月経に伴う痛みというものはありません。

経血排泄に伴いやや重いような張るような違和感を下腹に感じる程度です。

強い生理痛で鎮痛剤を飲まないと生活に支障が出る状態という事は、子宮や周辺臓器にトラブルを抱えていますよ、というサインです。

 

初潮を迎える頃から「生理痛には鎮痛剤」という、ある意味では教育を日本では受けてきます。

なので、痛くてもとりあえず鎮痛剤を飲めばいいんだ、という感覚の女性がとても多いのですが、これ自体が大きな誤解です。

痛いのはトラブルがあるから痛いのであって、早期改善に越した事はありません。

 

漢方であれば、その方のトラブルのタイプに合わせて血流、代謝が改善でき、鎮痛剤が効かない相当強い生理痛でも短期間で改善できます。

生理痛は婦人科系の臓器が、今後も健全でいられるかどうかの重要なサインでもあります。

 

もう一度、大事なことなので繰り返します。

 

本来生理は痛くないのが当たり前です。 

痛みがある場合にはいつまでも鎮痛剤で我慢・放置せず是非漢方を試してみて下さい。

 

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