生理以外でも起きる下腹痛

生理以外に起きる下腹痛で多いのは「排卵痛」と「高温期の下腹の痛み」です。

子宮筋腫や子宮腺筋症により生理後から排卵までの期間で痛みを覚える事がありますが、こちらは各疾患のサイトに記載致します。

 

排卵痛も高温期の下腹痛も、どちらも鎮痛剤が必要なほど強い痛みを訴えるものではありません。

体を動かしている時や活動後少し休んでいる時などに「シクシク」「ズーン」「キリッ」と短時間痛むのが特徴です。

 

特別な治療が必要な痛みではない事の方が多いのですが、毎周期の事なので気になるという方も多い症状の一つです。

排卵痛

排卵痛の症状

生理以外で起きる下腹痛で、最も多いのが排卵痛です。

症状は生理開始日から起算して12日目くらいから始まり、長い方だと3日ほど続く事があります。

下腹中央ではなくやや左右によった辺りにチクチクシクシクと気になる痛みが持続するか、時々ズキンズキンと強い痛みを訴える事も。

一般的に排卵が終わると痛みも解消しますが、痛みが出たり消えたりしながら数日続く事もあります。

排卵痛の原因

排卵痛には体調・体質から生じるものと、子宮内膜症など疾患に絡んで起きてくるものがありますが、ここでは体調・体質に絡んで生じる痛みについて記載させて頂きます。

排卵痛の原因を考えるには、先に卵胞の発育から排卵まで、卵巣で何が起きているのか知っておく必要があります。

 

卵胞の中には、黄身である卵子と、白身である卵胞液が入っています。

生理周期4日目くらいから脳下垂体から卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、その刺激を受けて卵胞でエストロゲン(E₂)の分泌が始まります。

E₂の分泌で卵子は発育し、同時に卵胞内には卵胞液が充満。

こうして卵胞は大きく成長していきます。

生理周期13日目くらいになると卵胞が20mmほどの大きさにまで発育し、脳下垂体からは卵胞から卵子を排卵させる黄体化ホルモン(LH)が分泌されます。

LHは卵巣を収縮させ卵胞の破裂・排卵を促進します。

首尾よく排卵が行われた後、発育した卵胞は黄体となり黄体ホルモン(P₄)を分泌し始め、基礎体温が上昇します。

 

この一連の流れの中で、E₂の分泌力が弱いと卵胞の発育に比較して卵子の成長が遅くなります。

卵胞が20mm前後に発育しても、中は黄身が小さく、白身が多い卵胞になっています。

これでは脳下垂体からLHによる排卵の刺激が始まっても卵子は排卵できません。

排卵するためには卵子自体が十分に発育している事が必要です。

 

普段よく目にする鶏の卵も、黄身は殻と白い紐でつながっています。

この白い紐は黄身が卵の中で殻にぶつかったりしないように位置固定する機能を持っているのですが、人の卵胞の中で、卵子もどうやらそのような状態にあるようなのです。

最近の研究では卵子の一部が卵胞とくっついているとする論文も出てきているようなのですが、私自身まだその論文を確認できていません。

 

いずれにせよ、卵子が十分発育するまでは排卵の刺激があっても排卵できない状態が続きます。

排卵が終わるまでの期間、卵巣は何度も収縮痙攣を繰り返し、その結果チクチク、シクシクといった排卵痛が生じます。

 

一般的には「排卵痛」と呼ばれるこの痛みは、厳密には「排卵できない痛」なのです。

排卵痛の改善

まずE₂の分泌不足が卵子の発育を遅らせ、卵胞が長時間排卵の刺激を受ける事が排卵痛につながるとお伝えしました。

ではE₂の分泌が減少する原因は何でしょうか。

 

年齢的に閉経が近くなればE₂の分泌力は低下しますが、逆に閉経に近い方で排卵痛を訴える方はあまり見かけません。

むしろまだ卵巣に十分力がある10代~30代前半の方に排卵痛を訴える方が多いように思います。

 

排卵痛の訴えが多い20代~30代女性の生活環境・生理周期を考えると、以下のような原因が見えてきます。

 

 睡眠時間の不足

 食事の不摂生・偏り

 無理なダイエット

 過剰あるいは長期間のストレス・疲労

 ホルモン剤・鎮痛剤・安定剤など薬剤の利用

 

以上の要因は脳下垂体から分泌される刺激ホルモン、各臓器でホルモンを代謝・合成する力、分泌する為に必要な睡眠の質や時間を短縮・減少させます。

また、一部の薬剤は精密・独立的に行われている内分泌代謝の一連の流れを外部から強制的にコントロールし、内分泌代謝系に狂いを生じさせます。

 

排卵痛を自力で改善しようと考える場合、上記原因のような生活・食事習慣の乱れや医薬品の利用を見直し、健康的で正しい生活リズムで毎日を送る事を考えて下さい。

つまり朝昼夜の三食を適切な時間にバランスよく食べ、夜は遅くても23時になったら就寝。

日中は適度な運動を心がけ、活動と休息のメリハリをつける。

生理痛や生理周期・自律神経の不調は生活習慣や体質改善で治すよう心がけ、ピルや安定剤、睡眠剤によるコントロールは行わない。

正しい生活習慣により卵巣の力が回復し、エストロゲンの分泌や卵胞・卵子の発育が順調に行われるようになると自然と痛みは消失します。 

 

当店でも排卵痛の改善には以下の事を行います。

まず卵巣の力を回復させる事。

 卵巣粘膜のむくみや血流不全など臓器周辺環境を改善する。

中枢と卵巣のホルモン交換がスムーズに行われるよう内分泌系のバランスを改善。

 

卵胞と卵子の発育が安定し、脳下垂体からの排卵の刺激がスムーズに伝わり、排卵の障害になる物理的な要因がなければ排卵痛は生じません。

スムーズに排卵出来るようになると基礎体温から見ても2日ほどできれいなLHサージが起きるようになります。

妊活中で排卵痛が気になっている方にもオススメの方法です。 

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